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電子の海滔々と
移ろい行くその様を
一歩引いた居場所で眺めて
居るような錯覚に戸惑う
硝煙にくゆるあの月を
撃ち落とさんと指をさして
爆ぜろと言って片目を閉ざす
そんな飯事を
是で仕舞いと手を叩いて
現実逃避を終わらせる
レアリスト達の呼び声に
耳を塞いでいた
喪われた世界の箍(タガ)
秩序なんてとうに無くて
全て狂わせてくれ
狂気の華を
Arrangement:半熟
叛逆さえままならぬ
雁字搦めの身一つで
成せる事の一つも無くて
意義を問えど虚空へと消えて
ひび割れた虚像が
耳障りな音を
立てて崩れていく
ハルシネイトの世界
痛覚だけで繋ぎ止める
思考と肢体の関係を
打ち捨てるだけの冷たさを
持ってはいなくて
知らず知らず増える傷痕
現実直視に堪え切れず
プロパガンダに流されてく
心の弱さを
失われた自身の箍
自愛なんてとうに無くて
全てを狂わせるの
私の狂気で

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